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私の仕事内容

今日の試合は9回2アウトから同点に追いついて、延長でパンダのサヨナラホームランで2連勝!

波に乗ってこのまま突っ走ればいいですね!

 

 

さて、私の仕事内容の一つにバッティングピッチャーというものがありますが、簡単そうに見えて凄く難しいものなのです。

 

日本プロ野球のバッティングピッチャーというのは現役を引退した投手がなります。ピッチャー上がりの人たちが投げる球なので試合形式に近いバッティング練習になります。現役中は相手に打たせまいと投げていたのが、バッティング練習になると打者に打ちやすいボールを投げなければなりません。それでも日本のプロ野球の場合は実践形式のバッティング練習を求めているため、元ピッチャーが一番その仕事に向いています。

 

しかしながらメジャーリーグののバッティングピッチャーというのは、とにかく打ちやすい球を投げるというのが一番重要視され、バッターは打ちやすければ打ちやすい程そのバッティングピッチャーを好みます。日本の元ピッチャーのような実践的なボールでは無く、キャッチャーや内野手が投げるような、素直で回転の良い球が重要視されるのです。メジャーリーグではバッティングピッチャーは基本的にコーチや私の様なブルペンキャッチャーが務めます。投げる球種もストレートだけなので、とにかくバッターに球の出どころをしっかりと見せてやって、常に同じモーションで同じスピードの球回転良くを投げる事を心がけます。

 

自分の様に、ブルペンで球を受けるのとバッティングピッチャーをやるために契約している者はより一層意識してしまいます。何も考えない様にただ単に投げようとしても、やはりバッターの反応を見てしまうのです。毎日投げていると調子の良い日もあれば悪い日もあります。体が思い通りに動いてくれない日もあります。調子が悪いと頭の中で考え始めます。考え始めると何かが狂い始め、思った様に体が動かなくなってきて、球が曲がり始めたり、ストライクが入りにくくなってきたりするのです。ただ単純に、常に同じモーションで同じスピードの球でストライクを投げれば良いだけなのにやればやる程難しくなっていくのです。

 

雇われてクビになっていく者も何人か見てきました。現役中はコントロールの良い左ピッチャーだったので、左のバッティングピッチャーとして契約したがストライクが入らずクビになってしまった人もいます。イップスという野球特有の心の病気にかかって辞めていく人もいます。特にバッティングピッチャーとしてだけで契約している人たちは特に大変そうです。選手に球を当ててしまって次の日にクビになってしまった人もいるんです。

 

好きな事を仕事にしたので、ただ単に毎日楽しむだけだろうとおっしゃる人もいるでしょう。贅沢な悩みだとおっしゃる方もいるのではないでしょうか。好きな事を仕事としてやっていればそれなりの悩みもあるのです。選手も一生懸命、命がけでやっていますが、私たちスタッフも生活していくために毎日必死にやっています。しかし忘れてはいけないのは、ここまで来られたのは周りの人たちの支えや助けがあったからという事です。最近特に思いますが、自分には何も特別な知識も技術もありません。助けてくれた人たち、そして自分を支えてくれた人たちがいたからこそこんなに毎日幸せに仕事をさせてもらっているのです。常に感謝の気持ちを持って一生懸命、必死に仕事をしなければならないです。野球少年たちの良い手本になれるようにこれからも日々努力し続けていきます。

 

 

サンフランシスコより、

 

植松泰良

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