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メジャーのボールは滑る?

「メジャーのボールは滑る」WBCが行われる度に、日本人投手がメジャーに挑戦する毎によく聞くセリフですが、ボールがツルツル滑ると思っているのは日本人選手ばかりです。私がオランダ代表のブルペン捕手を務めた時、オランダ人の選手からは一度たりともWBC球が滑るという話を聞きませんでした。彼らは色々な国で野球をし、違う種類のボールを使ってプレーしています。日本プロ野球が使用するボールを使ったプレミア12にも行った選手がほとんどでしたので聞いてみましたが、ボールの違いを口にする選手はいませんでした。

 

外国人は鈍感なのか?と思ったことはありました。しかし彼らは鈍感で気づかないわけではなく、しっかりとした理由がありました。それは投げ方です。日本で私たちが子供の頃から教わってきた投げ方をしていてはボールの違いに対応するのは大変困難になります。しかしながら、欧米の選手たちが子供の頃から教わっている投げ方ではメジャーのボールは滑りませんし、たとえ突然軟式ボールを握らせてもすぐに対応しっかりと投げられると思います。

 

簡単に言えば、欧米の選手はボールを上から投げ下ろし、角度のついたボールを投げてきます。日本人は投げる時に肘を前に出すように教わり、回転をつけて腕がしなる用に前に突き出すように投げます。ツルツルしたメジャーリーグのボールでは、その投げ方でコントロールをつけるのは難しいですし、少しでも前腕が疲れてくるとボールが抜けてしまいます。私自身も最初は滑って特にバッティング投手として投げる時は特に苦労しました。自分でビデオを撮ったり、何度も試行錯誤をし、上から投げおろせる様になってきました。

 

ボールが滑る→滑らないように強く握る→前腕が疲労→肘に負担→靭帯損傷→トミージョン手術

 

という結果も生まれてきます。

 

メジャーリーグの内野手の送球の正確さは彼らの肩の強さだけでは無く、送球フォームからも来ているのではないでしょうか?

 

 

 

アリゾナ州スコッツデールより

 

 

植松泰良

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