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近年のデータ野球(キャッチャーのフレーミング)

ここ最近の野球は随分と変わってきています。審判のアウトセーフの判定が間違っていると思えば、インスタントリプレイを使ってチャレンジ出来ますし、各打者の打球の飛ぶ方向を対右投手、左投手に分けて統計を出し、その統計によって内野を大きくシフトさせます。また、外野手の打球を追う時のルートの効率や、ボールの回転数や打者ののスイングスピードも試合中にも測ることが可能です。日頃からブルペン捕手として働き、キャッチャーの練習のサポート役する私が一番驚いているのはキャッチャーの「フレーミング」です。フレーミングとは、ボール球なのだけど、それをストライクに見せる技術のことです。フィールドで行われている野球の試合中の各選手の細かいデータを全て数字に表すことのできる近年の野球には本当に驚かされます。

私が学生の頃は、ヤクルトスワローズで活躍した古田捕手のキャッチングが注目されていました。ボール球なのに古田選手のキャッチングで審判はストライクの判定をする光景をテレビで何度も見てきました。毎日一生懸命古田選手のキャッチング技術を目指し練習していました。しかし近年では日本の野球関係者が何を取り間違えたか、メジャーリーグではキャッチャーはボール球を捕った後にミットを動かしてストライクに見せる行為はメジャーリーグではタブーとされていると勘違いし、それを日本野球に広めました。確かに明らかなボール球をミットを大きく動かしてストライクに見せる明らかな行為は確かに審判に対しての敬意のある行為ではないですが、際どいボールをストライクに見せる技術は昔からメジャーリーグでもやっていることです。

ここ最近では、際どいボール球をストライクに見せる技術まで数値化され、「フレーミング」の上手さでもランキングが出て、それによってキャッチャーの評価の仕方がだいぶ変わってきたかと思われます。際どいボール球をストライクに出来るという技術はピッチャーをかなり有利にさせますし、統計の数字が出始めてからは特に重視されています。各審判によってクセもあるので、各審判ごとのストライクゾーンの傾向もデータとして出ていますし、試合に入っていくキャッチャー、ピッチャーはそのデータも頭に入れて試合に入っていきます。

「ミットを動かしてはいけない」は間違っています。それもキャッチャーの技術です。ただ、明らかなボール球をミットを動かしてストライクに見せるのは「ダメ」なのです。古田選手の技術は世界でもトップクラスだと思います。メジャーリーグでキャッチングを教えて欲しいですね!

アリゾナ州スコッツデールより

植松泰良

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