連帯責任に反対
日本のニュースを見ていて出てきたのが、東海大学野球部の部員の寮での大麻使用問題です。もちろん日本では大麻の使用は法律で認められていないので、使用すれば逮捕されるのは事実です。でもこのニュースで驚かされたのが、数人の大麻使用が原因で、連帯責任をとって部活動を無期限で自粛するということです。この連帯責任というものには全く賛成できません。
これが中学生や高校生ならまだわからなくもありません(と言っておきながら、中高生でもわからないかもしれません)だけど大学生は18歳以上の「大人」です。強豪東海大学の野球部に入るということは、恐らく野球で飯を食っていこうと思っている選手たちが沢山集まっている集団です。大学とは教育機関ですが、自分の就きたい仕事に就くため、もっと詳しい専門知識を自ら学びにいいくところだと思います。部活動も同じで、色々な目的を持ってそれぞれがやっていると思いますが、プロ選手や実業団の選手として活躍を目指している選手たちがそれぞれのスポーツでの技術を上げるためにやっているのが一番の目的で大学に通っている人もいます。団体スポーツで、チームワークが大切なのは百も承知ですが、責任を持った一人一人の個人がいてのチームワークが出来上がります。チームワークを乱すものがいればチームから外されればいいし、チームに残る資格などありません。何よりこの事件に全く関わっていない選手たちがかわいそうです。関与していない選手がなぜ罰を受けなければならないのでしょうか。関与していない選手が罰せられないためには彼らが何をしていれば良かったのでしょうか?悪いことをしている奴に注意して変えさせる?もし犯人たちがレギュラーメンバーだったらレギュラーじゃない子たちは何も言えないだろうし、レギュラー同士でも犯罪を起こしている奴に注意したりやめさせたりするにはリスクがつきまといます。犯罪者を辞めさせればそれで良いのではないでしょうか?関与していない人に連帯責任として罰を与えるメリットは何でしょうか?
恐らくメリットは、関与していない者を恨ませ、犯人たちにもっと罪悪感を与えること以外の何でもないと思います。罪を犯したものたちはもちろん部活には絶対に戻れないし、今の世の中、SNSによって精神的に極限に追い込まれるでしょう。それで充分ではないですか?テレビをみていると、評論家の人たちは、「大学は教育機関なので、これを機に教育をしなければならない。」と言っていますが、18歳から22歳の大人であれば、その様な犯罪を犯したらどうなるのかなんて誰もがわかっています。立派な大人なのだから、自分のやったことは自分で責任を取ればいいのではないでしょうか?「教育」なんてきれいごとを言っているだけです。その様な教育は、大学に行く前に充分にされてきているでしょう。
一生懸命毎日努力をしている無関係の選手たちに罰を与える意味は全くありません。彼らが気の毒で仕方がありません。「連帯責任」など、もう古い風習は捨てましょう。理にかなっていません。残念です。
サンフランシスコより
植松泰良