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久しぶりの再会

2008年にメジャーリーグに上げてもらってから11年が経ち、毎日夢だったフィールドに立てる感謝の気持ちを常に持っていますが、数日前にまた初心に戻れるような出来事がありました。2006年に始めてジャイアンツ傘下のトリプルA、フレズノでブルペンキャッチャーとしてのスタートを切ったシーズンに活躍していた、数年前に現役を引退したピッチャーである、エリック・スリーツ氏が私たちの練習中に突然やってきたのです。2007年のシーズンもフレズノでプレーし、2008年に私がメジャーに呼ばれたシーズンに彼もメジャーに上がり、数ヶ月でしたがメジャーリーグのフィールドでも彼の投げるブルペンを受けることが出来ました。彼には特にマイナーリーグにいた時に本当にお世話になりました。

背も高く体も大きく、まるでバスケットボールやフットボールの選手に見えるくらいの選手で、見た目は怖いし気も強そうなスリーツ投手でしたが、本当に心優しい、常に人に気を使ってくれる素晴らしい人間です。始めてアメリカのプロ野球の世界で働き始めて、何もわからない自分にいつも話しかけてくれたり、ラスベガス遠征の時には、ナイトゲームの日の朝に、「ショッピングモールに買い物に行くから一緒に行くか?」と聞かれ、一緒にナイキタウンに行くと、「いつものお礼として好きなものを何でも買ってくれ!」と、その当時マイナーリーグのスタッフとしてお金のなかった私にプレゼントしてくれたりしました。常にスタッフに気を配ってくれる選手。そういう人間になりたいと思わせてくれた選手でした。

約160キロのストレートを長身の左腕から投げ下ろすオーソドックスなパワーピッチャーだったスリーツ投手でしたが、メジャーでは結果を出すことが出来ず、マイナーリーグで長年プレーし、その後独立リーグなどでもプレーし現役生活を終え、今はサンディエゴに移って子供達に野球を教えていると言っていました。スリーツ投手のように、人の気持ちが良く理解できる気の使える元メジャーリーグ選手だったコーチに野球を教えてもらえる子供は本当にラッキーだと思います。

いきなりの再会でビックリしましたし、マイナー時代のことを久しぶりに思い出すことのできた時間でした。彼のお陰であの頃の気持ちをまた思い出すことが出来ましたし、その気持ちを常に胸にこれからも一生懸命働いていこうと思います。

サンフランシスコより

植松泰良

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