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テキサス州立大学の川村博人トレーナーからのメッセージ

川村博人:

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山形県米沢市出身。

 

高校時代は山形県立米沢興譲館高校野球部に所属。2005年南イリノイ大学附属言語学校にて語学研修後、2006年に南イリノイ大学入学。2007年はJohn A. Logan Collegeの野球部に所属し、アメリカの野球について学ぶ。南イリノイ大学復学後は様々なスポーツで学生トレーナーとしてATCになるための基本的な知識を学ぶ。2010年~2011年にはSan Francisco Giants 3Aでインターンアスレチックトレーナーとして野球に特化した経験を積む。2012年はフルシーズンBoston Red Sox 3AでPart-time Assistant Athletic Trainerとしてチームに帯同し、 International Leagueのチャンピオンに貢献。マイナーリーグワールドシリーズを経験。日本人選手と他の選手、コーチ陣、メディカルチーム間の通訳としての役割も果たす。オフシーズンは南イリノイ大学でIntern Assistant Athletic Trainerとして野球部に帯同し、女子バスケ部、水泳部のリハビリも担当する。2013年~現在はテキサス州立大学大学院Post-Professional Athletic Training Programに所属し、Graduate Assistantとして野球部のヘッドアスレティックトレーナー兼Teaching Assistantとして大学生に授業を教えている。

 

 

 

私がアメリカに渡り、アスレチックトレーニングを勉強しようと決めたきっかけは、高校時代にシカゴホワイトソックスで働いた経験のある桑原匠司さんの話を聞く機会があり、アスレチックトレーナーという職業を知ることができたからです。その当時はメジャーリーグの球団で働けたらすごいだろうなという憧れや漠然とした夢程度にしか思ってはいませんでした。留学することなど考えもしていませんでした。しかし、一度アスレチックトレーナーという職業があるということと、メジャーリーグの球団で働ける可能性があるということを知ってしまった私は、どうしても留学のことが気になってしまい、 少しずつ情報を集め始めました。そんなことをしているうちにアメリカに行って勉強してみたいという気持ちが強くなっていき、留学を決意し、両親にも納得してもらい渡米することが決まりました。英語は苦手分野で英会話は全くできませんでしたが、アメリカに行けば何とかなるだろうと単身アメリカに留学しました。とは言っても、そう簡単に何とかなるはずもなく、現地ではたくさんの人に助けて頂きました。その中で大学の先輩である泰良さんとの出会いはとても大きく、アスレチックトレーニング関連のことだけではなくアメリカで生活していく上で必要なことを教えて頂きました。特に泰良さんに学んだことで一番大きなことは、自分のやりたいことに本気になって努力すれば夢は目標となり実現するということです。これは直接教えて頂いたことではないのですが、泰良さんの実際に活躍されている姿を見てそのように感じざるを得ません。そして、私自身も夢であったジャイアンツやレッドソックスなどの一流の球団で働くことができるようになったことで、その思いを強くしています。皆さんには、もし今何かしたいことがあれば、ぜひ勇気を持ってまずそれに向けて一歩を踏み出してもらいたいと思います。とにかく諦めずにやり続けることが大事なのだと考えます。 私も、これからも学び続けるという努力を怠らず、新たな知識を吸収して日々前進していきたいと思います。そして選手達を最高の力でサポートできたら、私にとってそれが最高の幸せであると考えています。

 

 

 

ATCを目指している皆さんへ

 

 

ATCの力次第でチームの状態や勝ち星に大きく関わると言っていいほどスポーツチームでのATCの役割は大きく、重要な存在です。長時間労働やストレスの多い職業であるとは思いますが、私は大好きな野球に毎日関わることができ、そして選手に一番近い存在としてサポートできるATCの仕事はやり甲斐のある素晴らしい職業であると思っています。

 

 

是非ATCになりたいと考えている皆さんにあっては、何事にもオープンマインドで知識やスキルを吸収し、そして色々なことにチャレンジして頂きたいと思います。もちろん大学で学んだことも多いですが、私の場合、野球チームに帯同して怪我の予防やリハビリ、トリートメントをする学校以外でのインターンシップやプロスポーツでの経験、学会などで学んだそのスポーツに関する知識や技術が非常に役に立っています。

 

 

いろいろなアスレチックトレーナーと話すのもよいでしょう。一人ひとり持っている経験も知識も技術も考え方も違います。新しい発見があるはずですし、いい刺激をもらえます。私のアスレチックトレーニングの師匠であるアンソニー (現SF Giants Assistant Athletic Trainer)には、本当にいろいろなことを学びました。私が勝手に師と思っているだけですが、弟子入りしたつもりで、アンソニーのやっていることを見て、わからないことは質問し、実際に選手のトリートメントやリハビリで試す、これを繰り返しました。アンソニーには、試合後のトリートメントの後、遅くまで球場に残って私に付き合って頂き、たくさんのことを教わりました。どれだけATCとしてアンソニーに近づけたかわかりませんが、インターン中はアンソニーの持っている知識、技術を吸収することに集中しました。レッドソックス時代にも3Aのヘッドアスレチックトレーナーであるジョンからジャイアンツとは違った肩のストレッチ法やショルダープログラム、トリートメントやリハビリにおける細かな技術やコンセプトを学び、シーズンを通して怪我の予防、トリートメント、リハビリに向きあうことができました。各球団で怪我の予防法もストレッチ法も違うので、いろいろな場所で経験することができれば、幅広い、様々な知識を吸収できます。またシーズン中に何度かフェンウェイ球場に行く機会があり、チームPTからも治療法のコンセプトを学ぶことができました。一つの怪我も奥が深く、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるということに気付かされました。大学院に行くことを考え始めたのもこの時期でした。プロ野球での仕事は自分にとって本当にいい経験になりました。今までテレビで見ていただけだった一流の選手達に対して実際にトリートメントをするのですから、私もATCとして一流にならなければならない、なってやると決意しました。このことがATCとしての自分を高めようとするモチベーションとなっています。

 

 

現在はテキサス州立大学大学院でPost-Professional Athletic Training Programに所属し、大学で学んだアスレチックトレーニングの知識をより深く掘り下げ、ATCとして一段ずつ成長しようとしているところです。大学院ではたくさんの論文を読む機会があり、どんどん新しくなっていくコンセプトや研究結果を基に実際にトリートメントやリハビリをしています。また、毎週ゲストスピーカーとして特別講義を行ってくれるスポーツ医療に携わっている各専門分野のスペシャリストの話を聞くこともできます。今まで知らなかった知識や技術に触れる機会も多いのです。 大学院進学は決して間違った選択ではないと思います。大学院で学ぶ事は多いですし、自分の知識と技術の向上を図り、アスレチックトレーナーとして成長させてくれるよい機会になると思います。

 

 

最後に、大学時代はただATCになるということだけを目標とせずに 、スーパーバイザーのATCに言われたことをこなすばかりではなく、自分がその状況に遭遇したらどう対処するか、どう治療するか、どうしてこの治療が必要なのかなど、自分が実際にATCになって働くことを想定しながら、実習や授業に臨んで頂きたいと思います。そうすることによって、自分が実際に自分のチームを持ち、ヘッドアスレチックトレーナーとして働く機会が与えられた時に、自信を持って様々な状況、場面に対応できるはずです。毎日の実習時間の使い方や考え方で学べる量は0にも100にもなります。実習の時間を大切にし、アスレチックトレーナーからいろいろな技術や知識を吸収し、現場でどんどん試して頂きたいと思います。

 

 

最後まで私の記事を読んで頂きありがとうございます。皆さんにとりまして、私の経験が少しでも進路選択の参考になれば、また少しでも刺激となれば幸甚です。

 

 

川村博人

 

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