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ボストンでパウエルコーチと

今シーズン最後の遠征でボストンにやってきました。ホームでのデーゲームを終えて3時間の時差のあるボストンに着いたのは朝4時前でした。その日は1日オフだったので、朝はゆっくり寝て、ジムに行き、ゆっくりとオフを過ごすことができました。夜はバッティングコーチの元中日ドラゴンズで活躍したパウエルが今シーズンのお礼をしたいからということで夕食に誘ってくれて、夕食をご馳走してくれました。パウエルの奥さんとご近所の夫婦も一緒で、楽しく夕食を楽しむことができました。

 

パウエルコーチには本当にお世話になっています。2008年にメジャーに上げてもらい12年目にして初めて自分の仕事に全て自信を持ってできるようになったのはパウエルコーチのお陰だと思っています。バッティングピッチャーとして主力選手に毎日投げられることを目指して10年間何度も失敗してきました。昔いたコーチに馬鹿にされたり、投げている時にストライクが投げられず頭が真っ白になったことだってあります。打ちやすく投げられなければ投げさせてもらえない。次はいつ投げさせてもらえるかわからない。自信をなくしていました。

 

どうしたら主力選手に毎日投げてもらいたいようなバッティングピッチャーになれるか。去年のキャンプ前に、小さい頃からずっとやってきた投げ方を思い切って変えることを決断しました。パウエルがバッティングコーチに就任して、チャンスをくれました。失敗したと思った日もありましたが、「お前の球は打ちやすい。何も問題はない。明日も宜しく!」と言ってくれてチャンスを与え続けてくれました。昨シーズン1シーズン毎試合前に投げ続けることが出来たことは本当に大きな自信になり、12年目の今シーズンはブルペンキャッチャーの仕事はもちろん、バッティングピッチャーとして毎日主力選手に自信を持って投げさせてもらっています。

 

どんなことがあっても人のせいにしない。人のことを悪く言わない。人に優しく。いつも同じ自分でいる。いつも前向きに生きる。パウエルは全く語りませんが、これらは彼と2シーズン一緒に仕事をさせてもらって彼の行動から学んだことです。人の行動からこんなに学ばせてもらったことは今までにありません。多くは語らず行動でしめすパウエルコーチのような人間に自分もいつかなってみたいなと思います。

 

 

 

マサチューセッツ州ボストンより

 

 

植松泰良

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