夏の大会が中止に。。

高校野球の甲子園を含む夏の大会が中止になってしまい、これから上で野球を続けていこうと思っている選手たちも、夏を最後に野球に一括りをつけようと思っていた選手たちも、子供の頃からの夢の舞台がなくなってしまったことの辛さは計り知れないと思います。ニュースになっているのは高校野球ばかりですが、高校球児だけでなく、中学生も大学生も、体育会系の部活だけではなく、文化部で活動し、この夏を最後に部活を引退する生徒さんたちもとても残念で、悲しい思いをしていると思います。私自身高校野球では全く成功していないですし、プロ野球選手にもなれなかったような者には彼らの気持ちは理解出来ないと言われてしまうとは思いますが、この経験をどうにか人生の次のステップにつなげて欲しいと思っています。

甲子園で活躍する事だけを夢見て、親元を離れ、寮生活をしながら高校三年間を過ごしました。色々ありましたが何とか野球も最後まで続けて、監督を含めた先生方の「優しさ」で最後の大会も背番号をいただいてベンチ入りさせていただきました。自分が高校野球で活躍できなかったのは自分の努力が足りなかったから。実力がなかったから。そして諦めてしまったからです。もっと練習すれば上手くなれたかもしれないし、もう少し試合に出られたかもしれない。自分がどうにかすれば結果が変わってきた、「自分にコントロールの効くこと」でした。

しかし今回の夏の大会の中止は、残念ながら選手たちがどれだけ努力をしても変えられない、自分たちには「コントロールの効かないこと」です。悔しいし、絶望的だし、自分の夢をチャンスを与えられることなく奪われてしまった気分でしょう。最後の大会で活躍し、次のステップにつなげることを目標に、親元を離れて学校に通っていた選手たちもたくさんいることでしょう。でも中止になってしまった。もうどうしようもない。自分たちの力ではどうにもできないこと。残念ですがどうにか次のステージに一歩を踏み出せるモチベーションを見つけていって欲しいと願います。

この夏の全ての大会の中止は誰のせいでもない。高校野球では、中止を決めた高野連や大人たちが悪く言われているけど、誰のせいでもないし、どうすることもできません。どうにか高校野球だけでもという考えがあるようですが、それは他のスポーツで頑張っている選手に公平ではないですね。だけど今一番大切なのは命を守ること。自分を含めた家族の健康を第一に考えなければならないと思います。スポーツは二の次。それはメジャーリーグの選手たちもそう思っています。

最後の大会がなくなってしまっても、今まで積み上げてきたこと、そしてしてきた努力は全て自分の力になっています。物事には全て意味があって起こる。今この状況になっているのには何かしらの意味があるのでしょう。残念だけど、この辛い経験を将来、それぞれの分野でで活かして欲しいと思います。今を乗り切ればまた何かしらのチャンスがきます。今は高校野球や他のスポーツが命と同じくらい大切だと思っているかかもしれないけど、後になってみれば命がスポーツよりどれだけ大切かわかります。

今の辛い経験をこれからのもっと充実した人生に活かしていきましょう。私もなにか彼らの力になれればと思っています。

サンフランシスコより

植松泰良