自分がコントロール出来ること、出来ないこと

私は小さい頃からの夢である舞台で仕事をさせて頂いています。そしてその最高峰の舞台で10年目のシーズンを迎えました。ジャイアンツという歴史ある素晴らしい球団で仕事をさせてもらっている。これ以上幸せなことはないと感謝しています。

球団には選手、コーチ、そして様々なスタッフがいます。色々なバックグラウンドを持ったスタッフが全米、そして海外からも集まっています。どんな仕事をしていても、どんな会社に勤めていても、誰もが悩みを持っていると思いますし、それがストレスになっていることもあると思います。

夢に辿り着いたメジャー1年目、全てが新しく毎日興奮していました。メジャーリーグの選手のサポートを夢の舞台で出来て、背中に名前の入った新しいユニフォームを着てフィールドに立てるのです。小さい頃から描いていた自分が現実になり、全てが新鮮で夢のようでした。しかしその環境に慣れ、自分の立場や仕事の要領がわかってくると、色々な欲や問題が出て来ます。自分の立場が他の立場の人と均等に扱われてないだとか、一年契約で毎年契約を更新しなければならない私のような立場だと、次の年の契約のことが心配になったりしたこともありました。

約９年間で学んだ一番大きなことは、自分のコントロール出来ることに一生懸命、全身全霊でのぞみ、自分のコントロールできないことには悩まないことです。自分がやらなければならない仕事でのタスクをしっかりと丁寧にこなすこと。仕事中の選手への接し方。この様なことは自分でコントロールの効くことです。しかし、来年の契約のこと、自分の立場、周りからの自分の評価などは自分が直接コントロールすることは出来ないのです。自分がコントロールできないことを悩んでいてもストレスは溜まるばかりですし、そんな悩みを持っているくらいなら自分のコントロール出来る、自分のすべき仕事を一生懸命こなすことが大事ではないかと思います。その結果、自分のコントロールできない問題が解決していくのではないでしょうか。

やることをやって失敗したら仕方がない。諦めもつくと思っています。やるべき努力もせずに結果がでなかっら一生後悔し続けるのではないかと私自身は思っています。もう一回自分を見直す良いチャンスだと思い、自分に言い聞かせるように書きました。

アリゾナ州フェニックスより

植松泰良