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野球から離れてリラックス

アメリカの野球には大学時代から携わっていますが、こっちの選手が何より上手いのはオンとオフの切り替えです。シーズン中も野球をやる時は本当に一生懸命やりますし、野球をしない時にはリラックスの仕方を知っている様な気がします。日本の野球で育った私は、常に野球のことを考えて高校までやってきました。グラウンドから離れても野球のことを考えていなければ良い選手になれるわけがないと思っていましたし、1日練習しなかっただけで「ブランク」のようなものを感じたのを覚えています。なので心体共に休むことを恐れていました。

 

オフシーズンに入り、マイナーリーグ、メジャーリーグの選手の大半が野球から離れてオフを過ごしています。メジャーリーグには秋季キャンプはありませんし、シーズンが終われば基本的に次の春のキャンプまでオフなのです。もちろんキャンプに合わせてオフシーズンのトレーニングを個々でするわけですが、しばらく野球から離れて自分の生活を楽しむという選手の話を沢山聞いたことがあります。「ボールを握っておかなければ、キャッチボールを続けなければ感覚を忘れてしまう。」そんな考えはこっちにはないと思います。野球のことを忘れ、身体を鍛え、心をリフレッシュさせてまた野球をしたいという気持ちをキャンプに向けて上げていくのが野球が上達する基本だと思いますし、シーズン中毎日プレーしなければいけないため、調子の浮き沈みが必ずあるプロの選手には本当に大切なことだと思います。

 

毎日疲れるまで練習をしなければ試合で結果が出ない。試合前のルーティーンを完璧にこなさなければ気持ちよく試合に入っていけない。まずその執着心を取り除くことの大切さを将来のプロ野球選手に伝えて行きたいと思います。もちろん追い込まなければいけない時期もあります。でもどんな状況でも不安なく試合で最高のパフォーマンスが出来る様な精神状態を作ってあげるには、休む時は休むというオンとオフの切り替えの仕方を覚えさせる必要があると思います。何をしていたって結果が出るのが一番の練習であるし準備でもあるわけです。メジャーリーグには試合前にバッティング練習をせずに試合に入っていく日を設けているスーパースターたちも沢山います。それでも世界最高峰のパフォーマンスが出来る。その考えを持つことは日本野球をよりレベルの高いものにしていく一つの大切なコンセプトだと思った今日この頃でした。

 
 
 

ネバダ州ラスベガスより

 
 

植松泰良

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