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キャッチャーの技術

オフシーズンはここサンフランシスコベイエリアの子供たちにキャッチャーの技術を教える個人レッスンを時々行っていますが、アメリカも日本もキャッチャーの技術を基本からしっかりと教えこまれた子供がほとんどいないという事実にびっくりさせられます。どういうふうに、ミットのどこでボールを捕るか。セカンド送球するときにはどちらの足を先に指導させるか。ワンバウンドを胸のどこで止めればいいのか。ボールの握り換えの位置はどこが一番正確なのか。パスボールをどうやって処理すれば良いのか。などなど、レベルの高いチームでプレーしている子供たちに聞いても、自信を持って答えられる子供はほとんどいません。なぜこういう状況になってしまうのか。自主トレをしているうちの正捕手の選手と話していて気づいたことがあります。

 

まずは教えられるコーチが少なすぎるということです。キャッチャーというポジションを経験したことのある野球人は、他のポジションに比べて断然に少ないのではないでしょうか。キャッチャーはワンバウンドを体で止めなければならないし、ファールチップは当たるし、道具が必要だし、夏は暑いし、ユニフォームは汚くなるし、毎球スクワットしなければならないし。と、子供にとっても大人にとっても、素直にやりたいと思えるポジションではないということが根本にあるのではないかということです。日本に帰ったときにやる野球教室でも、キャッチャーの人数は明らかに少ないです。原因はそこではないのか。という話を練習中にしました。

 

キャッチャーの技術は本当に基本が大切で、基本を知っていればどれだけでも上達できるポジションだと思います。小学生からプロの選手まで、ここまで練習内容が同じポジションは他には絶対ないと思えるほど基本が大切なのです。打撃も良ければプロへの道が一番近いポジションだと言っても過言ではないと思います。

 

私が野球界に貢献できるとしたらキャッチャーを育てることくらいだと思います。何らかの方法で日本、アメリカのキャッチャー少年たちに基本技術を教えられたらといつも思っています。コツを掴めばどれだけでも上手くなれるし、職人気質の人間にはぴったりのポジションだと思います。特に日本のキャッチャーのレベルはまだまだ伸び代があります。どうにか1人でも多くの子供に技術の基本を伝授することはできないか。私自身の今後の新たな課題です。

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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