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野球人生初ホームラン!

メジャーリーグの舞台でブルペンキャッチャーとして働きながら、実は小学校3年生で野球を初め、一度もフェンスを越えるホームランを打ったことがありませんでした。これはかなり恥ずかしいことだったので、ここに書こうかどうか迷いましたが、37歳で初ホームランを打つ奴なんて他にはなかなかいないのではないかと思ったので書いています。先週の試合がアメリカの高校の野球場が会場だったのですが、打った時の気分は最高でした。何とも言えない初めての感触で、これは打ってみないとわからない感触なのだと思いました。週末のリーグの試合でのホームランだったので、野球をやっている他の人から見れば大したことはないことですが、嬉しくてアメリカ、日本両国の仲の良い友達に試合後に電話をかけてしまいました。

 

なぜ高校時代に打てなくて、37歳になって打てたのか。高校時代現役で野球をやっているときははっきり言ってバッティングが大嫌いでした。打ってもボールが遠くに飛んでいかなかったからです。自分のようなパワーの無い選手が遠くに飛ばそうとして大振りすれば怒られるし、もし大振りしたとしても全くボールが飛んでいかない状態でした。正しいバッティング、強い打球を打つバッティングを全く知らないまま現役を終えてしまいました。どうやったら強い打球が打てるのか。どうやったら遠くに飛ばせるのか。体が細く、全く筋力もなかったことが原因だとずっと思っていました。

 

24歳の時に本格的に筋力トレーニングを始めました。メジャーに上げてもらったその年に、遠征中に仲の良いボウカー選手に誘われてホテルのジムで毎朝一緒に筋トレをし始めたのがきっかけでした。大学の時に始めてはいたのですが、毎日のようにルーティン化されたのはその時が初めてでした。高校を卒業してアメリカに来たときは体重は恐らく65キロ。今は太ったのもありますが、90キロあります。筋力はつきました。ゴルフでは球が飛ぶけど野球ではどうしても球が飛ばない。周りの自分より細い人が飛ばしているのに自分の打球は全く飛ばない。

 

数年前に日本に帰ったときに、仲良くしてもらっている、世界6ヵ国の野球リーグでプレーした田久保賢植君にバッティングを教わりました。私はメジャーでバッティングピッチャーをやっているので、一流のバッターがどの様に打っているかは常にイメージできましたが、自分が実際に打つと高校の頃の悪いバッティングフォームのまま。田久保君に一から丁寧に教わって、初めてメジャーリーガーのバッティングフォームのイメージと結びつきました。それから数年経ちましたが、ゴルフをすると野球のスイングに結びつけ、野球のスイングをするとゴルフのスイングに結びつけて考える様になっていました。ゴルフが大好きで、どうしても上手くなりたく、日本に帰った時はレッスンに行ったり、アメリカにいる時はYouTubeで自分で研究してスイングを上達させてきました。本当にここ最近、「体に力を入れても飛ばない」という本当の意味がわかり、道具(ゴルフクラブ)を上手く使ってボールを飛ばせるようになってきました。ゴルフの練習やラウンドで上手く行くと、なぜか野球のスイングに落とし込んで常に考えていました。

 

力ではない。バットやゴルフクラブという道具をいかに上手く使って、その重さを利用してボールに力を伝える。それが理解でき始めてから両スポーツでの結果が変わってきたような気がします。この感触と正しい技術を教えられる人はなかなかいません。打撃を活かしてプロ野球選手を目指すなら、ゴルフのように個人打撃レッスンを受けて正しいフォームをしっかりと身につけることが大切だと思います。しかしその正しい打撃フォームを教えられる人がなかなかいないのが現実です。私が子供に戻れるのなら、絶対に田久保君からレッスンを受けるでしょう。彼はプロ野球チームのバッティングコーチにもなれる指導力を持っています。彼に教わらなければ損だと思うほどのコーチです。私は彼に教えてもらっていなかったら、ホームランを打てるようになりませんでしたし、ゴルフも上達しなかったと思います。田久保君に打たせてもらったホームランでした。田久保君は千葉県八千代市でレッスンスタジオを開設し、バッティングを始めとした野球の個人レッスンをしています。

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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