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メジャーリーガーの練習

サンフランシスコに帰って来たと思ったらまた直ぐに10日間の遠征という日程が続く今年のシーズンのここまでですが、毎日必死に働いております。チームは波に乗って来ました。

 

さて、よくメジャーリーガーはどんな練習をしているのかという質問を頂きます。答えは一つ、基本を毎日こなすということです。特に内野手、ジャイアンツのレギュラー内野手4人中3人はゴールドグラブ賞を受賞したことのある、試合だけ見れば華麗なプレーを見せる選手たちです。しかし彼らの練習を見ると、本当に基本中の基本ばかりを毎日やっています。バッティング練習中にノックを受けますが、ノックの打球も取りやすい速さで、正面、右、左、ダブルプレー、シフトからの練習などを毎日同じくらいの回数をやっています。数はかなり少ないですが、集中して一球一球本当に丁寧にさばいています。このような基本を繰り返し、体に染み込ませるからこそ、試合のいざとなった時に華麗なプレーが生まれるのでしょう。

 

一つだけ日本の指導者の方々に訂正して頂きたいことがあります。内野手は正面で捕るのが基本だと教えていると思います。正面とは体の真ん中で捕るのも正面。ショートの右側のゴロは逆シングルでとっても体の正面で捕るので正面。左側のゴロも同じことが言えます。よく高校野球でショートが三遊間のゴロを無理矢理真ん中に入ってとり、足を滑らせて三遊間の深いところからワンバウンド送球する光景を見かけます。余裕を持って逆シングルでバウンドを合わせて入れば、勢い良く一塁に送球出来ます。しかしそれをやると怒られます。基本に忠実ではないと言われます。セーフになったとしても回り込んで「正面」で捕ったという言い訳が通り、許されてしまっているのです。

 

逆シングルでとろうが、左側のゴロを片手で捕りに行こうが体の正面を向けて目の前で捕る訳ですから、これも基本中の基本なのです。小さな頃からこれも基本なんだと教われば、逆シングルでもうまく正確に捕れるようになるようになるのです。守備ではアウトに出来る一番の方法を身に付けるべきですし、変な話アウトにできればどんな形で捕ろうが投げようが構わないわけです。

 

古い日本の考えは他にも沢山ありますし、基本を何らかの理由で取り間違えている事が沢山あると、外から日本の野球を見ていて思います。大事なのは基本。メジャーリーグで活躍する選手が常に行なっている練習も常に基本練習です。

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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