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全ては基本

最近キャッチャーのレッスンをしていて思うことですが、野球で一番大切なのは基本です。小さい頃からしっかりと基本を繰り返してそれを身に付けていけば、少し調子が落ちた時や、フォームがわからなくなってしまってしまった時にも帰れる原点があります。これは野球だけではなく、全てのことについても言えることだと思います。

 

高校時代には自分の人生は野球が全てだと思っていたので、野球だけ一生懸命やっていれば良いと思っていました。勉強は二の次だと思っていましたし、テスト前の勉強をテストのためだけにやる以外は寮で勉強したことはありませんでした。高校野球を最後に、一度野球をやめて将来の自分のために他の道を進むと決めた時に自分の中にしっかりと染み込んでいたのは中学校で教えて頂いた英語の基礎だけでした。高校では一生懸命教えてくれた先生方には大変申し訳ないと思っていますが、高校で何を学んだかはさっぱり覚えていません。しかしアメリカに来て英語を勉強する上で、勉強したものがしっかりと自分の身についていくことが出来たのは基礎がしっかりと出来ていたからだと思っています。基礎がしっかりしていない状態で次々と新しい情報が入って来てもそれを理解し、応用していくことは難しいと思います。

 

野球の話に戻りますが、キャッチャーとしての技術というのは単純なものだと思います。基本の技術をしっかりと子供の頃から繰り返してやって来ている子は応用を教えてもそれをしっかりと飲み込んで実践できます。しかし私のように、小さな頃から基本を一つ一つ繰り返してプレーしてこなかったものは、今から基本をやろうとしてもなかなか身につくものではありません。ワンバウンドを止めること一つでもそうですが、小さな頃から繰り返して練習してきた成果が、カージナルスの名捕手モリーナ選手のような素晴らしいプレーを生み出すのだと思います。

 

基本を練習する時に大切なことは、ワンバウンド止めだとしたら、速いボールを投げる必要は全くありません。ゆっくりな簡単なボールを投げてやって、しっかりとした形でブロッキングする癖をしっかりとつけてやることが最優先です。試合で速いボールを止めなければいけないからといって速いボールを止める練習をする必要はないと思います。速いボールは怖いし、恐ければ形も崩れたままボールを止めにいってしまいます。選手として自分に一番足りていなかったことはそこだと、教える方の立場に立って思います。

 

 

 

サンフランシスコより、

 

 

植松泰良

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