パーソナルレッスンの大切さ
ゴルフ選手には個人的にコーチがつくのになぜ野球にはないのでしょうか?ゴルフのスイングと野球のスイングは共通するところが沢山あります。ピッチングにしてもそうです。学生野球では部員が100人以上いるチームもあるのに数人のコーチしかいません。その多勢の選手の中から元から正しい技術が身についている選手が力をつけて飛び抜けてきます。スポーツ推薦で入ってきた期待されている有望格には指導者による個人的な指導も入ってくるとは思いますが、ほとんどの選手たちは技術は自分自身で向上させていかなければならないのです。最近ではチーム練習以外で個人的に通える野球塾やレッスン施設なども出てきた様ですが、私の子供の頃は少なくとも私の地元にはありませんでした。ゴルフの個人レッスンの様に野球の技術を正しく、自分に合った形で向上させていくのはチーム練習よりも大切なのではないのかと思ってもきました。
私自身はアメリカ中心に子供たちにキャッチャーの基本技術を個人レッスンしています。11月に約2週間日本にいましたが、この滞在の中で個人レッスンの大切さを前以上に知りました。いつも仲良くさせて頂いている、世界6カ国のプロリーグでプレー、コーチをした田久保賢植君(八千代市のOn Deck Circleという野球レッスンスタジオ経営)に実際にバッティングのレッスンをしていただき、36歳になって初めて知った打撃の基本技術が沢山ありました。基本を勘違いして36年間生きてきたのだと思うと恥ずかしいですし、子供の頃から田久保君に教わっていればなという思いもありました。香川県高松市で野球教室をさせて頂き、キャッチャー技術を担当させて頂きましたが、ほとんどのキャッチャーは高松市にある、こちらもいつもお世話になっている山本遼太君のLTS野球塾の生徒さんたちで、キャッチャー出身である山本コーチの技術指導が行き届いている印象を受けました。
間違って覚えていることをそのまま続けても上達には至りません。ちょっと変えてあげれば上手くなったり、飛び抜けた能力が芽を出し始めることだってあります。誰も教えてくれない環境で正しい技術を効率良く学ぶことは不可能です。自分で学ぶのも大切な時だってありますが、それは基本を知った上で言えることです。個人レッスンをしているプロは、そこら辺の少し野球経験がある人とは教え方の質が全く違います。教えられた方も簡単に理解できるし、悩まず修正することができます。何故なら単純なことを単純な言葉でわかりやすく教えてくれるからです。教えられて言われたことがわからず頭の中が混乱するような教え方をするコーチは今すぐ自分の「参考資料」から外しましょう。教え方の上手いコーチは本当にわかりやすく、すぐに実践させてくれます。
基本技術を教えられない、教え方が難しすぎる指導者は、実際に自分が基本をわかっていないことがほとんどです。私がもし子供に戻れるのであれば、間違いなく部活の練習後に田久保君のOn Deck Circleや山本コーチのLTS野球塾に通うでしょう。「1週間レッスンに通えば高校3年間分の技術が身につく」田久保君とこの間交わした会話の中の一言ですが、これは事実です。個人レッスンがスポーツの技術を向上させる一番の方法であることを確信しています。
サンフランシスコより
植松泰良