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ブルペンキャッチャーとして

ブルペンキャッチャーとは、簡単に言えば、ブルペンでピッチャーの球を捕る人です。もちろんバッティングピッチャーもやるし、練習の手伝いや他の仕事もあります。チームの一員として、チームに何が出来るのか。試合に勝つために、直接チームの力にはなれないけど、何かチームのために約に立てないかと、今シーズンはよく考える事があります。

 

日本でブルペンキャッチャーと言えば、大きな音を出して捕って、ピッチャーの気を良くさせてあげるというのは常識だと思います。しかし、アメリカにはそういった考えは全くないのです。まず、キャッチャーが大きな音を出して球をとるという事が良いか悪いかも誰も考えません。日本では当たり前だと思われている野球の常識は、こちらでは全く違うところもあります。

 

ではブルペンキャッチャーとしてどのようにチームに貢献出来るか。マイナー時代を含めて、7年間ずっと考えてきました。自分はコーチではないので、自分の仕事の枠を越えた事は出来ません。それはアメリカではタブーなのです。もちろん球を受けていて気づいた事は言うし、ワンポイントでアドバイスもします。特にピッチャーが尋ねて来た時には正直に自分の意見を伝えます。球をとっている自分にしか分からないこともあると思うので、そこはしっかりとアドバイスする様にしています。試合中のブルペンでも、登板前のピッチャーにはジェスチャーで気づいた事は伝えます。でもやはりそこはコーチの仕事なので常に出来る事ではありません。

 

自分の仕事の枠以内で自信を持って出来る事。それはやはりキャッチングです。試合中に受けるリリーフピッチャーの球を捕る時に特に気を配っているのは、どうしたら彼らが気持ち良く試合に入っていけるかをという事です。大きな音を鳴らしてキャッチングするという常識はアメリカにはありません。でも、音を鳴らしながら捕ってあげると、彼らは喜ぶのです。

 

「今日結構調子いいな。」とか、「今日は結構球が行っている。」とかいういう選手もいます。

 

日本人にしか出来ない技術かもしれません。それでピッチャーの気分を良くして、試合に入っていってくれるのであれば、出来るだけ多く大きな音を立てて捕ってあげたいと思ているし、そこを意識してやりたちと思っています。しかし動く球(ストレートでも変化がある)を投げるメジャーのピッチャー達の球を常に音を鳴らして捕ることは簡単ではありません。でもそこをどうにかして音を鳴らして捕ってあげたいと思っています。

 

音を鳴らして捕るというのは、常にキャッチャーミットの芯と呼ばれるところでボールを捕らなければならないのです。芯に当たる前にミットの淵に当たったり、他の部分で捕ったりすると音は鳴りません。ミットの形も音の鳴り方に関係して来るので、新しいミットの形を作る時にも意識してやらなければなりません。ちょっとマニアックな話ですみません。

 

まだまだ技術的に劣っていると感じます。どうにかして自分の技術に磨きをかけて、ブルペンキャッチャーとして極めて行きたいと思っています。チームに少しでも貢献出来るように。

 

 

 

オハイオ州シンシナティより、

 

植松泰良

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