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メジャーリーグのピッチャー

「メジャーリーグのピッチャーってどうなの?何が違うの?」と友人や知り合いの方から聞かれることが多々あります。大学生、マイナーリーグ、メジャーリーグと違うレベルのピッチャーの球を今までに受けてきました。しかし、メジャーリーグのピッチャーもマイナーリーグのピッチャーも大学生も、投げる球のスピード、変化球のキレなど、実は驚く様な違いはないのです。球が速ければ速いほど良い訳ではないし、多彩な変化球を投げられれば良い訳でもありません。大学生でも、マイナーリーグでも100マイル(160キロ)のボールを投げる投手はいます。同時に、100マイル(160キロ)の速球を投げるピッチャーはメジャーリーグに数人しかいないのです。では何が違うのでしょうか。

 

 

私のチームの2012年にワールドシリーズの胴上げ投手となった、当時抑えのロモ投手を例に上げてみたいと思います。彼のストレートの球速は平均してだいたい88マイル (141キロ) です。最速でも90マイル(144キロ)といったところです。この球速はメジャーリーグの中でも遅い方です。抑え投手(クローザー)を任されるピッチャーというのは一般的に球の速いピッチャーです。しかしロモ投手は決して速くないストレートにスライダー、シンカー、チェンジアップというたった4種類の球で勝負しています。登板前にブルペンでは常にロモ投手の投球を受けていますが、彼のコントロールには驚かされます。とにかくミットを構えたところに常にボールがきます。得意のスライダーも常に投げたいところに投げられるといった感じです。思ったところに、常に同じ変化でボールを投げることが出来るのです。得意のスライダーを使うことによって、決して速くないストレートをより速く見せることが出来ていると思います。

 

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とにかくメジャーリーグのピッチャーはコントロールが良いです。各打者のデータに基づいてキャッチャーの要求するボールを狙ったところに、そして思った通りの変化をさせて投球します。その投球のミスが少ないのがメジャーリーグのピッチャーだと思っています。下のレベルにいけばいく程、その投球のミスの確率が高くなります。メジャーリーグの強打者達は、その少しのコントロールのミスを狙って打って来るのです。シーズンを通して、常に同じパフォーマンスを維持出来る、そしてメンタルの強い選手達がメジャーで活躍していると思います。簡単ではありますが、それがメジャーで活躍出来るピッチャーに共通して言えることだと思います。

 

 

 

アリゾナ州フェニックスより、

 

 

植松泰良

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