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気持ちの良い応援

前まではブルペンがフィールド上のファールグラウンドにあったサンフランシスコジャイアンツの本拠地オラクルパークは、昨シーズンからブルペンがセンターのバックスクリーンの下のフェンスの裏側に移動しました。移動した理由は、選手の安全を考えてのことです。ファールグラウンド上にブルペンがあった時は、フライを追いかけてきた外野手がブルペンのマウンドに躓いて脳震盪を起こし、それが原因となって引退を決めた選手もいました。メジャーリーグでは未だにブルペンがフィールド上にあるのは、オークランドとタンパベイの2球場だけです。他の28球場は全て外野のフェンスの裏側にブルペンがあります。サンフランシスコの球場も昨シーズンから外野フェンスの裏側にブルペンの位置を変えたわけですが、スタンドにお客さんが戻った今シーズン、色々と気付かされることがあります。

 

オラクルパークの外野席はジャイアンツファンでいっぱいです。こんなに地元のファンに愛されるチームの選手たちは本当に恵まれていると思います。ジャイアンツの選手たちがヒット、ホームランを打った時、ピッチャーが三振を取った時、得点した時、アウトを取った時、大歓声に包まれ、選手たちもこの上ない素晴らしい環境でプレーしていると思います。ファンの応援なしにメジャーリーグは成り立たないと、昨シーズンの無観客試合を経験し、今シーズン実感しております。ただ残念だと思う点は1つあり、これはどこの球場に行っても同じなのですが、相手のチームの選手に飛び交う野次です。野次も野球のうちですし、メジャーリーグのような人気スポーツならではのことですが、野次の種類にもよるのですが、浴びせられて気持ちの良くない野次も残念ながら多々耳に入ってきます。個人的な意見ですが、自分の大好きなチームを応援するのであれば、野次を飛ばしてネガティブな言葉を浴びせるより、聞いて気持ちの良い、ポジティブな応援を自分の応援しているチームの選手たちにもっとしてあげたほうが、応援されているチームも気持ちが良いのではないかと思います。

 

子供の頃、誰でも喧嘩はしてきたことだと思います。喧嘩中に相手の悪口を言ったり、馬鹿にしたり、少なからず私自身は経験してきました。ネガティブな言葉を相手に浴びせると、口にしているその瞬間は気持ちが良いかもしれませんが、後味の悪さは最悪です。罪のない選手たちが馬鹿にされたり、怒鳴られたりしますが、自分が逆の立場だったらどういう気分になるのか、それを考えて欲しいと思うのは私だけなのでしょうか。これはプロスポーツの醍醐味なのかもしれませんが、馬鹿にされて気持ちの良い人間なんてたぶんこの世に1人もいないと思います。野次を実際に浴びて、自分の何十倍の野次をも浴びている選手たちを見てきてきたからこそ理解できているのかもしれません。

 

応援している方も、されている側も、気持ちよくその場の雰囲気が楽しめることができたら最高ですね。

 

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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