13年前のセントルイス
セントルイス、ロサンゼルスの遠征から帰ってきてまだ18連戦の真っ最中です。セントルイスといえば私の通っていたサザンイリノイ大学カーボンデール校から車で約2時間の距離にある、一番近いメジャーリーグ球団です。今のセントルイスカージナルスの本拠地ブッシュスタジアムは第3代目のブッシュスタジアムですが、大学時代によく観戦に行った時はまだ古い、第2代目のブッシュスタジアムでした。大学最後の年2006年の夏にジャイアンツのマイナーリーグのチーム、フレズノで夏休みの2ヶ月の間インターンのブルペンキャッチャーとして働かせてもらって、最後に少し知り合いになった選手に、もし9月にメジャーに上がったら試合のチケットをお願いするという約束をして、卒業前の最後の学期を終わらせるために大学に戻りました。マイナーリーグではチケットはリストにゲストの名前を書くだけで、無料で家族、友達にチケットを取ることができたので、メジャーリーグでも同じだと思い、何も考えず、10枚可能かとその選手に試合の数日前に電話で聞いたら、「可能ではあるけど、、」「また当日電話かけて」と言われて当日電話してもメールしても出ないし返信なし。結局10人も行かず2人と私の3人でとりあえず行ってみようということで行ってみたがチケットはなし。チケットを窓口で買おうとしても売り切れで、仕方なく球場の周りにいるダフ屋から買って何とか球場に入りました。今となってはその選手に無料ではないのに10枚もチケットを頼んでしまって申し訳なかったなと思います。
球場の中に入ると、新しいブッシュスタジアムの1年目で本当に綺麗でびっくりしました。選手にチケットを出してもらうからと自信満々に誘った友達にも悪いことをしてしまいましたし、自分でも大きな恥をかいた気分でした。観客席から試合を観ていると、マイナーリーグで一緒だった選手たちがメジャーリーグの試合でプレーしているのが見えます。マイナーで一緒にいた時は身近な存在に感じた選手たちでしたが、観客席から見ると遠い存在に感じました。ブルペンへ行ってみると、すごく良くしてくれた選手が控えキャッチャーとして待機していました。観客席の上から声をかけると自分のことを覚えてくれていたらしく、「大学はどうだ?」とか、「卒業までがんばれよ!」などと話をしてくれて本当に嬉しい気持ちになりました。あのメジャーリーグのブルペンで自分も仕事がしたいとモチベーションが前まで以上に上がった瞬間でした。
今回の遠征で、球場のクラブハウスで筋トレをした後に有酸素運動のために観客席を歩いていた時にブルペンのところを通りかかって13年前の記憶が蘇ってきました。13年前はこの観客席から観ていましたが、今はそこに立てているのだという感謝の気持ちが湧き上がってきました。これからもあの13年前の気持ちを忘れずに頑張っていこうと思います。
サンフランシスコより
植松泰良