3度目の優勝
皆様もご存知の通り、お陰様で2年ぶり、5年間で3度目のワールドチャンピオンになりました。3勝2敗で相手の本拠地カンザスシティーへ移動し、第6戦で大敗し、どうなってしまうのか心配された第7戦でしたが、エースであるバムガーナーノの好リリーフで見事勝利しました。両チームもう勝手も負けてもこれでシーズンは終わりだという第7戦では、レギュラーシーズンではまず無いような継投策もありました。
中2日でのバムガーナーのリリーフでの5回無失点は流石に驚かされました。彼の球を初めて受けたのは彼がまだマイナーリーグにいた2007年の教育リーグのシートバッティングでした。驚くような成長で、今では球界を代表する左腕です。細かいフォームを必ずチェックするような性格のピッチャーなので、繊細な心の持ち主かと思いきや、実は物凄く強いメンタルを持っていて、どんな状況でも常に冷静です。メジャーリーガーのうちのメジャーリーガーになりました。
ブルペンでバムガーナーの球を受け試合に送り出し、9回には万が一のために抑え投手であるカシーヤを受けていましたが、ああいった大舞台で自分がブルペンで受けたピッチャー達が活躍してくれることは私にとって一番嬉しいことです。レギュラーシーズンであろうがワールドシリーズであろうが、私の仕事はピッチャーを出来るだけ気分よく試合に入っていかせることだと思っています。そのピッチャー達が試合で活躍してくれるとそこで一番の充実感が生まれるような気がします。
優勝決定後のクラブハウス内でのシャンパンの味も最高でした。勝利の数日後のサンフランシスコでのパレードも最高でした。前にも書きましたが、今シーズンは本当に山あり谷ありの凄まじいシーズンでした。負けている時、メディアからの批判にも負けず、最後まで諦めずにまた流れを持ってきてくれた選手たちはやはり世界一の選手たちだと思います。こうやって私のようなスタッフも良い気分を味わえたり、充実感を持てるメジャーリーグの野球は最高です。
まだ来年の契約を更新してもらったわけではありませんが、もし来年もサンフランシスコジャイアンツの一員として戦えるのであれば、今年以上に選手たちに気持ちよく試合に入っていってもらえるような努力をしていきたいと思っております。今年も一年ジャイアンツの応援を有難うございました。
サンフランシスコより、
植松泰良