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遠征から帰ってきました

今日からしっかりと出来るだけ毎日更新出来る様にします。先程遠征から帰ってきました。今回の遠征はカナダのトロントとコロラド。トロントで2連敗して、コロラドで1勝3敗で帰ってきました。メジャーで6年目になりますが、勝ち始めた2009年以来、チームは一番大きな試練を与えられていると思います。思う様に行かない状況。明日からのホームでの4連戦、どうにか立て直したいですね。

 

話はかわりますが、思った様に出来ないパフォーマンス。前まで出来た事が出来なくなっているパフォーマンス。何が一番の原因なのでしょうか?

 

自分自身は選手としては全くプロのレベルに届きませんでした。なぜプロレベルの選手になれなかったか。まずはフィジカル面と技術。それは目に見えています。高校ではレギュラーになれず、選手としては諦めました。高校卒業後すぐにアメリカに渡り、一年間英語を勉強し、大学に入り、大学の野球部に2シーズンつかせて頂きました。マイナーリーグも経験し、今はメジャーリーグの選手達のプレーを毎日見ています。確かにプロの技術は驚くものがあります。でもミスもします。一緒に練習をしていると、頑張れば自分にも出来たのでは無いかと思うときも正直あります。ただ彼らには自分に無いものがあります。それは強い精神力。常に前向きな考えや性格。メジャーリーグはレギュラーシーズン年間162試合。ほとんど毎日試合があります。毎日体の調子も違えば、感覚も違います。調子の良い時期もあれば、スランプも経験します。それでも安定した成績を残していくのがプロの選手です。メジャーに上がってきて結果を残しレギュラーを勝ち取った選手をみてきました。その選手達も必ず調子を崩しスランプを経験します。そのスランプを経験しても、常に前向きで、常に平常心を保っている選手達はまた調子を上げて素晴らしいキャリアを築いていきます。不動心に近いものを持っている選手は本当に素晴らしいと思います。

 

話は飛びましたが、スランプ中の選手はまず技術面で悩みます。先発投手であれば、試合ごとにビデオを見て技術面での問題を解明していきます。しかし次の登板で、解決した問題以外が起こりまた悩みます。それを繰り返していくうちに頭の中は混乱し、苛立ちます。苛立ち続けると今度は全てのことにおいて全てネガティブになってきます。マイナス思考ですね。今まで出来なかった事ができない。上手くいかない。前と同じ感覚を取り戻すために、過去のビデオを観てフォームを戻そうとする。しかし感覚が違う。気持ち悪い。頭はより混乱し、知らず知らずのうちに考えはよりマイナス思考になっていきます。

 

この間試合中にブルペンで一人のベテラン選手と話をしていたのですが、やはりスランプの一番の原因は精神的なもののようです。確かに技術面が原因でスランプに落ちていくと思います。しかしその後は精神的な問題が一番大きいのではないのでしょうか。そのベテラン選手は大学時代、心理学を学んでいたのですが、観察力は驚くものがあります。スランプ中の選手を今までに何人も見てきていると思うのですが、やはり共通しているのが、調子を落としている選手はマイナス思考の発言が自然と多くなっているようです。冗談を言っているにしろ、調子の良い時には絶対に口にしなかったようなマイナスなことを発すると言っていました。マイナスな事を考えていると本当に負の事ごとが次々と起こり、それをスランプと呼ぶのでしょう。

 

何か一つのきっかけでスランプから抜け出せるのではないでしょうか。そのきっかけを作るためにはまずマイナス思考の自分を改善していく事が大切なのではないかと思います。野球だけではなく、私生活でも、物事が自分の思う様にいかないときには自然と考えがマイナスになります。意識して直していかないと直らない問題です。意識してマイナス思考な考えを消していかなければなりません。簡単な作業ではありませんが、マイナスからプラスに考えを変えていくにはまずマイナス面を改善していく事が大切なのではないのでしょうか。それが日常生活上のスランプ、野球でのスランプから抜け出す第一歩だと思います。ある一つのプレーからスランプを抜け出していく選手も多々います。悩みに悩み続けて、マイナス思考のど真ん中にいても、ある一つの事がきっかけで抜け出す事もあります。調子を戻していく方法は人それぞれだとは思いますが、もし自分がスランプに陥ったら自分の考え、発言を見直していくのも一つの方法でしょう。

 

と飛行機で約3時間考えていたので書きました。

 

 

サンフランシスコより

 

泰良

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