思い出の都市セントルイス
一昨日の夜からセントルイス遠征に来ています。カージナルスは同じナショナルリーグのチームなのでセントルイスは毎年最低でも一度は遠征に来ますが、この都市には特別な思いがある様な気がします。なぜなら大学の頃に友達と何度も試合を観にきたからです。私の通っていたSouthern Illinois University(南イリノイ大学)という大学はセントルイスから車で約2時間のところにあるイリノイ州のカーボンデールという街です。カージナルスといえば、背番号99番の田口壮選手の大ファンであり、友達と車で何度も応援に来た楽しい思い出があります。
大学在学中に試合を観に来た時の球場は今の球場が建てられる前の古いBusch Stadiumでした。2006年に建てた今の新しいBusch Stadiumには大学の最後の年に1度試合を観に来たのを覚えています。ファンとして試合を観に来ていたその球場で試合中にブルペンで試合に入っていくピッチャーの球を受けている今があるのは大学在学中の良い出会いと経験が全てです。
知り合いの方が通っていたということで、カリフォルニア州サンタバーバラの語学学校に通っていた年の休み中に紹介して頂いたのが南イリノイ大学でした。その方の紹介で桑原さんという、後にシカゴホワイトソックスのルーキーリーグのアスレチックトレーナーを務められた方に出会うことが出来ました。桑原さんはその時は南イリノイ大学の4年生で、もうすぐ卒業という時でした。桑原さんに憧れ、アスレチックトレーナーを目指すために、お会いしたその日に南イリノイ大学への進学を決めました。
翌年大学に入学し、アスレチックトレーナーを目指して勉強を始めました。アスレチックトレーニング学科は基本的に午前中に授業を取り、午後は大学のスポーツチームやクリニックで実習でした。授業の単位の他に、決められた実習時間を経て、卒業後の資格試験を受けられるという仕組みになっていました。1学期ごとに所属先が変わったのですが、3年生の春学期に野球部の学生アスレチックトレーナーとして実習させていただきました。その時に出会った、5年前に亡くなったキャラハン監督を始め、現監督のヘンダーソンなどの素晴らしいスタッフに出会うことが出来ました。彼らは英語もろくに喋れなかった外国人の少年を家族のように受け入れてくれました。そこでの経験が後にジャイアンツのマイナーリーグでブルペンキャッチャーとして雇っていただく大きな理由となりました。
このセントルイスという都市は帰ってくるたびにお世話になった方への感謝の気持ちを改めて持ちます。当たり前にメジャーリーグの球場で仕事をしていることもありますが、ここに居られることに感謝しなければならないと思います。それを思い出させてくれるこのセントルイス遠征をこれからも大切にしていきます。
ミズーリ州セントルイスより、
植松泰良