生きている中の春夏秋冬
一昨日のアリゾナでの試合後にピッツバーグにやってきて、昨日は一日オフでした。選手達とゴルフを楽しんで、食事して、映画を観に行きました。食事中には彼らの、どういうキャッチャーが投げやすいのかという意見を聞けて大変勉強になりました。映画は、「Now you see me」というマジシャン達がマジックを使って銀行強盗をするという、かなり面白い映画でした。疲れすぎて、しかも食べ過ぎて、映画の最初の30分は意識がなかったので、もう一回観たいです。
今日の試合の結果は負けでした。怪我人も出てしまいました。
さて、まだ29年しか生きていない訳ですが、生きている中では幸せな事、楽しい事、悲しい事、辛い事など色々な事があります。何をしてもうまく物事が進む時期もあれば、何をどう頑張っても自分の思った様にいかない時期もあります。日本の四季の様に、私たちの人生にも春夏秋冬があるのではないでしょうか。
春という季節は清々しく、明るく、新しいことに巡り会える、最高に楽しい、絶好調な夏に向けて上がり調子の時期ではないでしょうか。秋には夏の絶好調の気分が少し落ち着き、自分を見直し、少しずつ物足りなさを感じてくる時期。そして冬にはその物足りなさや、厳しい寒さの様に、自分に冷たい風が吹いたり、思いもしないような辛い経験もしてしまう時期ではないかと思います。
何をしてもうまくいかない。頑張りが空回りしてしまう。春や夏の自分を思い出し、今の自分は何かおかしいと落ち込み悩む。なぜか人間関係がうまくいかない。運がないと思う。このまま自分の人生はその調子でいってしまうかと恐れる。悲しい出来事が立て続けに起きる。とにかく辛い。先が見えない。
誰にでもこういう時期はあると思います。無い人は無いかもしれません。少なくとも自分には何度かこういう時期は訪れました。
しかし、こういう時期を何度か経験してみると、ある事に気づきます。どんなに辛い事があっても、また幸せなときが必ずやってくる。どんなに辛い事があっても、それを乗り越えればまた幸せになれる。
辛い時期は四季で言えば、「冬」なのではないでしょうか。冬は寒く、日は短く、夜が長い。冷たい風が吹き、その風に流されそうになる。しかしずっと冬ではありません。辛く長い冬を迎えたとしても、その冬を越えれば必ず春がくるのです。春がくればまた絶対に幸せになれるのです。
時々、テレビのニュースや新聞などで、生徒達が自分で自分の命を落としてしまうという、悲しい事件が起きている事を知ります。恐らく本当に本当に辛い経験をし、命を落とす事を決断するのでしょう。私にはわからないくらいの辛い経験をしている人は今もたくさんいると思います。だけど一つだけ知ってほしい事があります。信用してください。絶対に春は来る。絶対幸せになれる。絶対に諦めないでほしい。
私の冬は高校時代に訪れました。具体的には申し上げる事は控えますが、生きてきた中で一番辛い経験をしました。屈辱でした。自信を全て無くしました。好きだった事が嫌いになりかけました。人を信用出来なくなりました。そして、自分の全てだと思っていた野球では、全く上手くいきませんでした。甲子園に行きたいと、両親に野球の強い私立の高校に行かせてもらいました。私立の学校の上に、寮生活をしたので、本当にお金をかけてもらいました。しかしながらレギュラーにはなれず、公式戦には一回も出場できませんでした。悔しかったし、正直本当に辛かったです。実家に帰った時には辛くて涙を流しました。もう辞めて他の事をしてもよいと言ってもらったこともありました。でも自分を支えてくれた人達がいたから、最後まで続けられました。一人ではないのだという安心感が本当に心の支えになりました。
孤独が一番辛いです。もし今命を落とそうと少しでも思っている人がいるとしたら聞いてください。助けを求めれば絶対に支えになってくれる人がいます。勇気を振り絞って、助けを求めてほしい。友達が信用出来ないのであれば、親がいます。親がいらっしゃらない、または親が信用出来なければ、親戚がいる。親戚も信用出来なかったら、学校の先生がいる。先生が信用出来ないのであれば、小さい頃遊んでいた友達の親だっていい。誰でもいいのです。もし誰もいないのだったら私に相談して頂いてもいいのです。ウェブサイトにメールアドレスが書いてあります。いつでもメールください。
今になって思いますが、その経験があったから今の自分がいると思います。その悔しさをバネに出来たことがあるから頑張れました。支えてくれている人がいたから夢を叶えることが出来ました。
一つだけ贅沢を言えば、冬の間に春が来るのを準備してほしいです。辛い冬ですが、楽しい春をより充実させるために、今、自分のやらなければならないことをコツコツとやってほしいです。地味な作業でつまらないかもしれません。もう嫌になってしまうこともあるでしょう。だけど、必ずやってくる春に向かって頑張ってほしいです。自分を失いかけたらとりあえず自分の正しいと思うことを続ける。将来の目標が少しでもあるのであれば、その目標に必要な資格や技術を得るために毎日少しずつ、コツコツと努力をしてください。動物の冬眠と一緒です。春への充電期間なのです。
ずっと、どんな形でも良いのでこの事を書きたいと思っていました。だけど自信がありませんでした。しかし、今このように自分の書いているブログを一人でも読んでいてくれている人がいるのであれば、その人の助けになりたいと思い書きました。
自己満足かもしれませんが、これを読んで少しでも元気を出してくれる人がいれば、目標を一つ達成した事になります。
ペンシルベニア州ピッツバーグより、
植松泰良