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英語

アリゾナに飛んで参りました!今日の試合は残念ながら相手のナックルボーラーに完璧に抑えられてしまいました。明日はオフ!気を取り直してこの長い遠征を乗り切りたいところです。

 

さて、アメリカで仕事をしているわけですが、もちろん英語が必要です。喋れなければ選手達から全く信用してもらえません。もしあなたがプロ野球選手で肩が痛くてトレーナーに診てもらいたいとします。トレーナー室に行くと、二人のトレーナーがいます。一人は日本人、もう一人は日本語があまり上手くないアメリカ人のトレーナー。どちらのトレーナーを信用して肩を診てもらおうと思いますか?トレーナーとしての知識、技術は二人とも同じ技量だとしましょう。

 

ほとんどの方は、確実にちゃんと日本語を喋れる日本人のトレーナーに診てもらいたいと答えると思います。自分の言っている事が伝わらない可能性がある人より、しっかりと自分の言っている事が理解してくれる人を頼るのは当たり前です。だからこそ、その国の言葉をしっかりと話す事は本当に大切な事なのです。それが自分の事を信頼してもらう一番重要な事でしょう。

 

大学の頃、トレーナーの実習で悔しい思いをたくさんしました。まだ英語をしっかりと話せていなかった頃です。自信もありませんでした。日本人の学生トレーナーは私一人だけで、他は皆アメリカ人でした。選手達は、簡単な事は自分にも頼んで来るのに、重要な事になると私よりアメリカ人の学生トレーナーのところに行ってしまうのです。初めて会う選手は私のところに来てくれることもありました、しかし自分が完全に理解していなかったり、自信を持ってはっきりと英語を話せていないと、すぐにアメリカ人のトレーナーの方に移ってしまいました。それが悔しくてたまりませんでした。日本で生まれ育ったことは変えられない事実。しかし、アメリカにいるのだからアメリカ人と同じ様に英語を喋りたい。彼らに自分も仲間だと思われる様にアメリカの作法や文化に従って行きたい。そして何より選手達に信頼されるトレーナーになりたいと思いました。

 

その悔しさをバネに、今ではだいぶ上達したと思います。今は英語だからといって特別意識を持って会話をしたりすることは無くなりました。夢は英語で見る日も日本語で見る日もあります。でもまだまだ完璧では全くありません。下手だなと思う事ばかりです。まだまだ知らない単語や言い回しが山ほどあります。悔しい思いをすることも多々あります。だから、今のまま興味を持ち続ければ、もっともっと上達出来ると思います。

 

今はトレーナーとしてではありませんが、ブルペンキャッチャーとして、そしてチームのスタッフとして、数年前からはアメリカ人の選手達は自分の言っている事に耳を傾けてくれたり、悩みを相談してきてくれることも増えてきました。信頼されるという事は本当に幸せな事だとつくづく感じます。

 

日本に帰るとよく、「英語が喋れてすごいねぇ。」とお褒めの言葉をたくさん頂きますが、実は別に凄くも何ともないんです。ただ英語が好きなだけなのです。野球好きな少年がぐんぐん上達して、野球選手になるのと一緒です。

そして、よく皆さんにどうしたら英語が上手くなるのか聞かれます。一生懸命、そして楽しみながら勉強する事です。もちろん人には好き嫌いがあるので、好きでもないものを好きになる事は難しいです。しかし、好きな事なら苦にならず一生懸命勉強出来るでしょう。運良く、英語に関していえば自分にはそれが備わっていたのだと思います。長文読解だけは嫌でしたが。。あとは、たくさんネイティブの人達と話すことですね。わからない事があったらその場で質問したり調べたりすることです。わからない単語があったら恥ずかしがらずに聞く。理解するまで諦めないことですね。私はiPhoneの「英辞郎」というアプリケーションを愛用しています。テレビでわからない単語が出てきたり、クラブハウスで選手達が喋っている時に知らない言い回しが出来てきたりしたらすぐに調べる様にしています。直ぐに聞いたり調べたりすると不思議な程良く覚えます。

 

話が長くなり申し訳ありませんが、自分が英語が好きになった理由は、中学校の頃の3年間の英語の授業です。素晴らしい先生のお陰で英語が大好きになりました。今でも館山市立第三中学校の飯塚先生には本当に感謝しております。あの教え方は他の誰よりもわかりやすいのです。高校時代は野球だけに集中していればいいと勘違いし、テストのためだけに勉強をするだけでした。それでも高校卒業後すぐにアメリカに渡り、語学学校を経て一年でアメリカの大学に入学出来たのは、中学校英語の基礎がしっかりしていたからだと思います。もしこのブログを館山市立第三中学校の生徒さん達が見ていてくれているとしたら、飯塚先生に教わっている生徒さんたち、あなたたちは本当に運が良いと思ってください。

 

「好きこそ物の上手なれ」と小さい頃から父が口にしていたのを覚えていますが、英語に限らずどんなことにも応用出来ると思います。偉そうな事を言っているのは承知の上です。しかし、好きな事に一生懸命取り組む事は間違っていないと思います。もちろん経済的な問題もあるし、好きな事だけやってられない理由もあります。自分の場合は、両親のお陰で、経済的に困る事無く、好きな事を思う存分やらせて頂けたので感謝です。それが出来ない方々もたくさんいると思うので、一方的には言えません。やりたくても出来ない方、やれなかった方には申し訳ありません。しかし、もし好きな事が出来る環境にいて、それをとことんやって、努力して、それを極め、それを将来仕事に出来たらそれ以上幸せな事は無いのではないでしょうか?

 

 

アリゾナ州フェニックスより、

 

植松泰良

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