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野球とベースボールの一番の違い

アメリカに帰ってきました!今回は約20日間の日本滞在でしたが、野球教室や講演など色々な経験をしてきました。野球教室、講演で質問コーナーを設けると断トツで多い質問は、「日本とメジャーの野球の違い」です。皆さんはどういったイメージをお持ちですか?パワーの違い?全く別のスポーツ?

 

技術的なこと、戦術的なこと、そしてフィジカル面でも違うことはたくさん見えますが、それ以上の一番の違いを申し上げましょう。それは「リスペクト」です。選手のコーチや監督へのリスペクト。監督やコーチが選手に対するリスペクト。相手の選手たちに対するリスペクト。試合に対するリスペクト。ファンに対するリスペクト。

 

まずはアメリカでは監督やコーチが人のいる前では絶対に名指しで怒らない、恥をかかせないということ。新聞でも、テレビでみる試合後の監督のインタビューでも、絶対に名指しに我がチームの全ての人材に対して名指しに否定的なコメントを残すことはありません。選手が監督・コーチに対しても同じです。何か注意しなければならないことがあったり、意見があれば個人的に人目を避けて話し合います。人前で自分のミスを責められることなんて以ての外です。

 

試合に対するリスペクト、ベースボールはアメリカの伝統のあるゲームです。「National pastime (国民的娯楽)」と呼ばれ、このNational pastimeを英語の辞書で調べてみれば、「野球」と出ます。この伝統のあるベースボールというゲームには古くから伝わる「right way (正しい仕方)」があるのです。何をしてでも勝てば良いのではなく、野球というゲームを正しくプレーし、その中で勝敗を争うのです。それが試合に対してのリスペクトです。

 

相手選手に対するリスペクト。ホームランを打った時にバットを高く放り投げる。相手への侮辱行為です。10点差で勝っている場面で送りバントをする、盗塁をする。相手への侮辱行為ですし、試合に対してもリスペクトがありません。プライドの高いアメリカ人は相手を侮辱することは許しませんし、この「unwritten rules (ルールブックに書かれていない暗黙のルール)」を大切にします。しかし、ホームランを打った時の派手なパフォーマンスなどに限って言えば、多国の選手が集まるメジャーリーグの中でも特にアメリカ人の選手は特に厳格ですし、派手なパフォーマンスを好む選手の多い南米選手との間でも問題が起きたりすることがあります。

 

ファンがあってのメジャーリーグです。ファンにしっかりとリスペクトをもってプレーする。これも見ていれば明らかにわかることだと思います。

 

賛否両論だといわれるこのベースボールというゲームにある「リスペクト」ですが、私個人的にはアメリカの国民的娯楽であるベースボールをプレーするに当たって切ってもきれない存在だと思いますし、その伝統的な見えないルールを守ってプレーすることが「the right way」だと思います。これが現在の野球とベースボールの一番の違いなのではないでしょうか。

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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