野球少年たちへ
野球を一生懸命やっている少年たち、高校児たち、本当に素晴らしいと思います。プロの世界を目指して努力しているその姿勢は、たとえプロ野球選手になれなかったとしても必ず将来に活きていくと思います。だけど一番大切なことも忘れないでほしいです。野球と同時に、一番大切な勉強も頑張って欲しいということを。
将来野球選手になれるのはほんの一握りだけ。そして野球選手として生計を立てていけるのは本当にその中でも少数です。それ以外のほとんどの人たちはみんな野球以外の世界で働くのが現実です。自分の趣味が仕事になるほど幸せなことはないと思います。だけどそれが全員出来るわけではありません。自分のしたい仕事、自分が勉強してきたことを仕事にすることも幸せなことだと思います。自分の専門分野を持ち、その分野で野球の時と同様上を目指して生計を立てていく。これほど幸せなことも趣味を仕事にする同様ないと思います。
私が言いたい事は、野球だけ一生懸命やるのではなく、学校でしっかり勉強してそれをしっかりと自分の技術、知識にして欲しいということです。野球選手になりたい子達には、もしなれなかった時、そしてたとえ野球選手になれたとしても、引退後の人生を考えながら一生懸命勉学に励んで欲しいと願います。
もし私が高校野球の監督だとしたら、限られた時間の中で野球を一生懸命やらせ、学校の成績が悪い選手達には他の選手達が野球の練習をしている時間に勉強させたいと思います。もちろん甲子園に行くことは選手達にとっても、指導者にとっても夢であり、一番大切な目標だと思います。だけど選手達にはこれからも人生で一番大切なことが野球以外にあるということを意識してもらいたいと思います。
学生時代の数年間を楽しむのではなく、それよりずっと長い、野球を終えてからも人生を充実したものに出来るような意識を球児達に持ってもらいたいと思います。
サンフランシスコより
植松泰良