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私が最も尊敬するメジャーリーガー

前にこのブログで、メジャーリーガーになる選手達は野球が上手いだけでは無く、人間としてもしっかりとした、周りの人を思いやれる人達だという記事を書いたような気がします。毎年何百人もの選手達がドラフトで指名され、メジャーリーグ球団組織に入る訳ですが、メジャーリーグまで辿り着ける選手というのは本当に一握りだけなのです。皆野球は上手いし、メジャーに上がる事を期待されて入ってきます。しかし人間的にもしっかりとしていないとメジャーリーグに残る事は不可能に近いのです。当然の事ながら、過去7年間出会ったメジャーリーガーの中で人間的に出来ていないと思う人は一人もいません。皆、人を思いやる気持ちを持った好青年達なのです。

 

その中でも私が一番に尊敬する選手は、昨年までジャイアンツで7年間プレーしたBarry Zito投手です。彼はサンフランシスコの隣街、オークランドにあるアスレチックスででサイヤング賞を獲得し、ジャイアンツと7年1億2600万ドルという超大型契約を結び入団しました。もちろん新天地のジャイアンツではエースとしての活躍を期待されて入団してきた訳ですが、一年目から絶不調に陥ります。

 

メディアから叩かれ、ファンからもブーイングを受け、どん底に落とされてしまったと思います。私がメジャーに上げてもらってからはほとんど毎日キャッチボール、ブルペンの相手を務めましたが、毎日試行錯誤でやっていました。精神的にもどん底まで落とされてしまったと思います。もし私が彼の立場だったら逃げ出してしまっていると思います。愚痴も沢山こぼしていると思います。しかしZito投手は、絶対に弱音を吐いたり、愚痴をこぼしたり、ネガティブな発言は一切ありませんでした。常に前を向き、自信の復活を信じて毎日努力していました。チームメイトにも常に笑顔で接していました。でも本当に辛かったと思います。

 

どん底に突き落とされたZito投手が復活したのは、ジャイアンツが二度目にワールドシリーズを制した2012年の開幕直後のコロラドでのロッキーズ戦でした。約9年ぶりの完封勝利を挙げたのです。そしてその年はプレーオフでも活躍し、彼の頑張りでワールドシリーズ出場を決め、優勝にも大きく貢献しました。開幕直後の完封勝利は涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。

 

そして、彼には本当にお世話になりました。昨シーズンのことですが、私が肘の怪我でもうボールを投げるのも難しくなってきた時に一番信頼出来るZito投手に相談しました。彼が通っているクリニックのセラピストに予約を取っておくから、一度治療を受けた方が良いと奨められ、治療を受けにいきました。治療が終わり、受付に行き、会計を済ませようとすると、「すでにZito選手が済ませてあります。」ということでした。ビックリしたと同時に、本当に嬉しかったです。こんな私にも気を配ってくれる素晴らしい選手なんだと再認識しました。その治療が効いて、昨シーズンを無事に終える事が出来て、今シーズンも怪我無く元気にやらせて頂いています。

 

私は選手にはなることが出来ませんが、Zito投手のような素晴らしい人間になれるようにこれからも日々努力していこうと思っています。

 

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コロラド州デンバーより、

 

 

植松泰良

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