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オープン戦期間の選手の調整

アリゾナ入りして約1ヶ月が経ちます。バッテリー組のキャンプ開始からは約3週間が経ち、試合も始まりました。先発ピッチャーも2回目の登板に入り、球数も徐々に上がってきています。この時期、期待されている投手が打たれると新聞やネットにその投手に対する心配や不安が記事になりますが、全く心配することはないと思います。ベテランはこのオープン戦を使って、シーズンに合わせて自分のペースで調整しているので、シーズン開幕にしっかり調子を上げていくのです。しかし開幕メジャー枠を争っている、特に若い選手たちはしっかりとアピールしなければならないので、初戦から全力で戦わなければなりません。その選手たちはオープン戦を全力で戦い抜き、開幕をメジャーリーグで迎えられたとしてもいつ下に落とされるかわからないので、シーズンに入っても全く気が抜けなく、本当に大変だといつも思います。

 

どの球団にも共通していることかもしれませんが、ピッチャーは少しずつ球数を増やしていき、シーズンで戦える状態を作っていきます。メジャーでは5人で回る先発ピッチャーの1試合の球数制限ははシーズン中、100球から110球です。中4日で投げなければならないので、しっかりと球数を制限して登板させています。オープン戦で登板ごとに徐々に球数を増やしていき、開幕には100球から110球投げられる状態を作っていきます。例えば、オープン戦初戦は25球、2回目は35球といったように増えていきます。リリーフピッチャーは初めは連投がないように調整されています。メジャー契約の選手たちは投げる試合を始めから知らされていて、回の初めから1イニングを任されます。投げない日は練習後休みが与えられ、午後は自由に時間を過ごせます。その1イニング中に決められた球数を投げてしまうと、招待選手や若手の選手がその残りのイニングを終わらせるために登板します。なので若手の選手たちはその急な登板で自分をアピールしていかなければなりません。しかもどの試合で投げるかもわからない状態で常に待機していなければならないのです。例えば球数が20球であれば、1アウト満塁の場面で制限である20球を越えれば、若手の選手がその場面でイニングを終了させるためにリリーフ登板します。登板が少ない中、満塁の場面での登板で、実践感覚もゆっくり調整できないまま結果を出さなければマイナーに落とされてしまうので本当に大変だと思います。

 

今年は開幕メンバーがどうなるか本当に楽しみです。

 
 
 

アリゾナ州スコッツデールより

 
 

植松泰良

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