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2020年を振り返って

2020年も残すところあと1週間となりました。メジャーリーグのシーズンでは初めてのことばかりで新鮮味のあるシーズンとはなりましたが、コロナウイルスの終息の目処が立たないこの状況が、流石に今まで続くとは思ってもいませんでした。今年のアリゾナキャンプもいつも通り2月中旬に始まり、あと残り1週間というところで、キャンプ中最後のオフの日を過ごしていた夕方に、キャンプ中断の連絡があり、正式に中止になり、そこから約3ヶ月の自宅隔離生活。60試合だけ(通常は162試合)のシーズンが始まることが決定し、7月に2週間だけサンフランシスコの本拠地でキャンプをしました。キャンプ中は、キャンプに招待された約60人の選手がウイルス感染を防ぐために一気に全員で練習できないということで、いくつかのグループを時間を変えて朝から晩まで行われました。キャンプ初日から、レギュラーシーズン終了1週間前まで、2日に1回コロナウイルスのテストが選手、スタッフに行われました。最後の1週間はプレーオフ進出の可能性のあるチームは本拠地でもホテルに隔離、そして毎日ウイルステストという毎日でした。マスクをつけてフィールドに立つのは生まれて初めての経験でした。

 

キャンプ中もシーズン中も、フィールドに出ていない時は皆んなが一緒に過ごしていたクラブハウスも、感染を防ぐために、ソーシャルディスタンスをとって、普段は食事部屋になっている部屋がロッカールームに変身したりと、いつもとはガラッと変わったクラブハウスでした。ウエイトルームも、普段は選手、スタッフの駐車場となっている大きなガレージに移動し、試合中はベンチでもソーシャルディスタンスを取らなければいけないということで、ベンチに入りきれない選手は観客席に座り待機。ブルペンも同じく、普段はお客さんたちが座っているエリアに座って選手たちは試合に備えました。一度誰かが使ったボールは、他の人が触ることが許されず、「使用済みバケツ」行きとなりました。ピッチャーは一人ずつロージンバッグを持ち、中継ぎピッチャーは試合に入っていく時はロージンバッグをマウンドに持参。キャッチボール前、後には手の消毒が義務付けられる。試合は勝ってもハイタッチは禁止で、エルボータッチ限定。遠征中はホテルのロビーには警備員(コロナ警察)が24時間見回りをしており、基本的に外出禁止。そして遠征はナ・リーグ西地区とア・リーグ西地区のチーム限定でした。

 

上に書き忘れていることも沢山あると思うほど初めての経験だらけのメジャーリーグのシーズンでした。ウイルスがまだまだ猛威を奮っている状況なので、来シーズンがいつ始まるか、どこでキャンプがあるかもわからない状態ですが、とにかく1日も早いウイルスの終息を願うばかりです。満員のお客さんが入った球場で野球が当たり前のように行われていた去年までが本当に恋しくなる1年でした。

 

 

 

サンフランシスコより

 

 

植松泰良

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